野球やゴルフのスイングを見てみる

野球のスイングを見てみる

野球のバットは1kg程度と重く長さもありボールも重いので、ラケットのように片手だけでスムーズにスイングすることは困難です。このため両手でバットを持ちスイングを行います。

ただ、スイングからフォロースルーに至る際、両手でバットを持ったままの選手非利き手側の手を放す選手が居るのを見たことがあると思います。

私はこの違いは、スイング途中における “利き手と非利き手の間役割の切り替え” の違いだと考えました。

体を回転させることで右肩はボールから離れていく

(左バッターだとして) 体の回転から始めるスイングで利き手のリードでバットを引き始めます。スイング途中でバットが加速する中で速度が増したバットが体の横を透過していきますが、体が回転し体が正面に向いていく中で右肩はスタンス側の体の正面(ボールを打つ側)から離れて行きます。(いわゆる肩が開いていく)

体の回転に伴い右肩はボールから離れていく

両手でバットを持っている場合、右肩がボールから離れてくことでテイクバックからバットを引いてスイングを主導していた右手が機能しづらくなるので “スイング途中で左手にスイングを主導する役割を切り替える” ということです。

回転に伴い左手を放すことによって両手で持つ制約を取り除く

一方、インパクトを迎えた後に左手をバットから放してしまえば、左手側の制約を受けなくなるので、体の回転に合わて右手もバットも追従していけばよくなります。

実際のバッティングにおいて両者に純然たる区別ができる訳ではないですが、両手でフォロースルーを行う打ち方がスイング半径が小さめでコンパクトなスイングができるのに対し、左手を放して右手だけでフォロースルーを行う打ち方はインパクト前後でスイング半径が拡大(バットのヘッド側がより体から遠くなっていく)し、バットのヘッド側もよりピッチャー方向に動いていくと言えると思います。

これをテニスの置き換えて、“左手を放す打ち方を片手打ちバックハンド的だ” とすれば、片手打ちバックハンドはラケットスピードが両手打ちバックハンドよりも速くでき、打点がより前になる点で共通点が見えてきます。(ラケットはスイング中体から距離がでる程、速度が速くなる要素が生まれます。)

野球においてもボールを飛ばすためのバットの運動エネルギーは「1/2 x バット重量 x バットスピード^2 (2乗)」ですから、MLBではバットスピードを上げる自信があるバッター(中長距離バッター)は非利き手側の手を放すスイングをする選手も多いようです。

※注: 日本のプロ野球で非利き手側の手を放すフォロースルーを取る選手は「バットの遠心力で飛ばす」ような表現を使いバットスピードもあまり速くない印象ですが、現代のMLBにおける高打率でホームランも打てるバッターの打ち方では非利き手は放してもインパクト前後のバットスピードは遅くなったりしません。「遠心力で飛ばす」と言われるようなスイングはかなりクラシカルな体の使い方だろうと思います。MLBのバッターはスイング中に体が前に動いたり(スウェー)しないし、体の軸も後ろ脚の近い位置にあるなど進化しています。

ゴルフのスイングを見てみる

ゴルフのクラブは軽量で且つシャフトに長さがありクラブヘッドも小さいため、クラブのスピードを上げることはもちろん重要ですが、最も重要なことは正確にボールを捉えることだと思います。このため、クラブは常に両手で握り、片手を放すようなフォロースルーを取られることは基本ありません。

重視されることは “スイング開始からフォロースルーまで頭の位置を動かさないこと” と “体の軸による回転で股関節から両肩までをしっかり回転させること” でしょうか。(クラブとトップの位置にある時とフォロースルーで右肩と左肩の位置が上下に逆転しますね。)

左手を離さないということは、”スイング開始で右手主導でクラブを引き始め加速し速度が上がったクラブから体の正面を通り越す前後でスイングの主導を左手に切り替える。右肩が回転しボールから遠ざかっていく中でボールを打つ右手の機能が制限されていく中で左手がフォロースルーを作っていく” という流れになります。

前述の通り、ボールを正確に捉えることが最も重要であるゴルフでは、頭の位置が動いてしまう(正確に当たらなくなる)ことに繋がる左手を放すというフォロースルーは向かないので、常にスイング途中で右手と左手の役割を切り替えるというクラブを両手で持ったスイングをすることとなります。

このフォロースルーまで両手を握ったままで頭の位置や体の軸をブラさずスイングするという点はテニスの両手打ちバックハンドの参考にできる点です。ラケットを振り回してボールを飛ばすのではなく、正確にボールを捉える要素を保ったまましっかりと体の機能を使っていかにボールを飛ばすのかということを考えるきっかけになります。

片手打ちバックハンドよりもボールを捉えやすい両手打ちバックハンドですら安定してボールを捉えられない方は「両手打ちバックハンドのコツ」のようなテニスの指導から離れて、他スポーツを見たりして体の使い方を考える方がよほど理解が進むかもしれません。

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