頭の位置が動くほど当たりづらくなる

ボールを打つ際に頭の位置が動いてしまう影響

なんとなく当たり前のように聞こえるかもしれませんが、単に「打つ際に頭が動く」という事象を言っているものではありません。

まず、人の頭はボーリングのボール1個程(6-7kg)の重さがあり、体を動かす際にバランスを取るためには「頭は常に両脚のスタンスの間にないといけない」ということです。

コート上に立った際の頭の位置とバランスへの影響

深いボール、遠いボールを追いかけた際等、体のバランスが崩れて頭の位置が両脚のスタンスの外側に出てしまうだけで人は正常な運動機能を失ってしまいます。(直立した状態で後ろから急に押された際、どちから一方の足を前に踏み出さない限り倒れてしまいますね。それと同じです。)

こういうと「フットワークの良さの問題」に聞こえるかもしれませんが、体のバランスを取りながら普通に走ることは殆どの人ができますね。”足が速い、遅い” はテニスの競技者レベルになれば違うのでしょうが、一般にテニスを楽しむレベルであれば「適切な予測」によりかなりの部分カバーできます。(別に書きたいと思います。)

このことはバランスが崩れてボールを打つ際に限りません。癖というか普通にボールを打っているだけなのに頭の位置が動きながらという人は案外多いのです。それは言い換えれば “体の使い方が正しくないから” ということなのですが、まずは常に上体を起こし、両脚の外側に頭が出ないようにするのが大事ということです。

頭の位置が動くと視線もブレる

もうひとつの要素が “視線” です。

ボールをよく見ると関連しますが「視線がブレる中では、飛んでくるボールの位置、ネットの高さ、自分が狙う場所を正確に把握することができない」ということです。

フェデラー選手のストローク練習

フェデラー選手がボールを打つのを見ると、構えから、ボールを追う際、ボールを打つ際、打ち終わって次のボールを打つ際、常に頭の位置が動いていないのが分かると思います。

これはフットワークの良さと正しい姿勢が取れていることもありますが、打ち方にもポイントはあります。

テニスでよく言われる「体重移動」の意味

よくテニスでは、「ストロークを打つ際は踏み込んで打つ。体重移動をして打たないとボールに打ち負けるからだ。」と言われると思います。また、「ボレーも踏み込んで打つ」と言われるのではないでしょうか?

この「踏み込んで打つ」という表現は「踏み込みながら打つではないのですが、多くの場合、質問者は “足を動かす、体を動かすタイミング”を聞きたがり、説明する側はそれに感覚的な説明をするので明確に理解されることは少ないと思います。

“踏み込みながら”、つまり “体の軸がボールに向かっていきながら” ラケットをボールに当てると考えれば、“向かってくるボールに自分も向かっていく” 訳でよりボールに当たりにくくなるのは当然です。野球の野手がフライを取る際、ボールに向かって走り込みながらはなく、できるだけ止まった状態で待ち構えてキャッチしますね。その方が距離感が正確に分かり確実だからです。バッターもボールを打つ際に片脚を踏み込みますが、体を回転させてバットを振る際は体の軸を動かしながらではありません。上体を動かしながら打つと当たりにくいし力が伝わりにくい事を知っているからです。

この「踏み込んで打つ」については別に書きたいと思いますが、ここでは「ボールを打つ際、頭の位置が動くほどボールに当たりにくくなる」という点を理解できればと思います。

プロゴルファーのスイングを見てみる

我々にも馴染みがあり映像でもよく目にするゴルフですが、テニス同様に棒状の道具を使い小さいボールを遠くまで飛ばすスポーツです。

ゴルフをやった経験がある方はご存知かもしれませんが、ゴルフでスイングする際、ものすごく厳しく言われることとして「スイング中に頭の位置を動かすな」というものがあります。

ゴルフボールはテニスボールよりも小さく、また、ゴルフクラブのフェイスはテニスラケットよりも圧倒的に小さいです。

ラケット中央部の周囲に当たりミスショット気味に打っても相手コートのライン内に収まれば構わないテニスに対し、正確にフェイスでボールを捉えないと簡単に上下左右にボールが曲がってしまうゴルフにおいては「ボールを飛ばすこと」よりも「正確にボールを捉えること」の方が何十倍も重要になります。思うように打てないだけでどんどんスコアが悪くなりますからね。

だから、クラブをしっかりスイングする中でも頭の位置を動かさないようにしてクラブのフェイスがボールに正確に当たることを重視します。

松山英樹プロの3番ウッドスイング

松山英樹プロのスイングを見ると、クラブをテイクバックし、スイングを開始し、インパクト、ボールがクラブから離れ飛んでいくまで頭の位置がほぼ動きません。

これを見て「プロ選手だからこんなことができるのだ。筋力や体格、体の柔軟性が必要だ。」と考えるかもしれませんがきちんと指導を受けていればよくTVで見かけるキッズゴルファーでもできることです。

松山プロのスイング、テイクバックし、スイングし、ボールが離れるまでボールの位置を見続け頭が動かないといった点が上のフェデラー選手がボールを打つ動画に共通すると思いませんか?

ゴルフもテニスも頭の位置が動く、視線が動くだけでボールを正確に捉えられなくなります。

ゴルフは小さいクラブフェイスで打つという特徴があり、テニスは打つべきボールは相手が打ち自分コートに向かって飛んでいる(静止していない)という特徴がありますが、どちらも『頭や視線がブレない前提でしっかりと安定したスイングができること』が強いボールを打つ以前の安定してボールを打つことに大切であることは理解できるのではないかと思います。

コート内を移動する時も、スイングしボールを打つ時も、姿勢を崩さず頭の位置や視線を動かなくても済むようにするには?と考える

テニスでボールを打つ際、ラケットを一生懸命振ってボールを飛ばそうとします。その際、体の軸、頭の位置、視線が大きく動きながら打っている方は多いです。

テニスを教わる際に“体重移動して打て”と言われることや強いボールや強いスピンを打ちたいという気持ちなどが“体や頭の位置、視線が動きながらボールを打っていること”を問題だと指摘させません。誰もその点を言わないから問題だと感じないのです。人によっては「フォームが悪い」という指摘がされたとしても、それは “見た目” の話で意味が違います。

ラケットがものすごく重たくて体全体を動かしながらでないとスイングできないならともかく、フェデラー選手のようなプロ選手が行っているように、コート内を移動してボールを追う間もラケットをスイングしてボールを打つ際も、頭の位置を動かさずに済み、スムーズに安定してスイングする方法があり、それは誰でもできることであるなら、やらない理由がないですよね。

これは体の機能や仕組を理解し正しく使うということであり残念ながらテニスを教わる際に言われる内容は含まれていません。

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