必要だと思う基本的理解 2

4.フォームは “形” ではない

テニスを教わる際、「テイバックの形はこう、インパクトの形はこう」と特定時点の “形” を示されることが殆どです。しかし、実際の「フォーム」は正しく体を使うことで起こる運動連鎖を含む一連の動作そのものです。出来ていれば途中の “形” は敢えて作る必要がありません。昔は写真でしかボールを打つ様子を伝えられず、日本人は教科書の類で教わる事に慣れているので「形」で示される事を分かりやすいと感じます。現代は運動学に基づく体の使い方や動画を使って情報を伝える環境も整っているのに教え方は昔から変わりません。形を作るのは形態模写の練習で、本当に教えるべきはまず「体の使い方」です。

5.道具でうまくなったりしない

道具で技術が向上することはありません。メーカー各社素材も製法も大差なくラケット自体はもう20年近く大きく進化していません。(ピュアドライブが登場したのが約20年前です) ラケットが飛ぶ飛ばないの差は、フレームの厚み、構造によりボールが当たった際に変形するかどうかが大きいです。薄いしなるラケットはボールが離れる前にしなりは復元せず “しなる” 分パワーロスが起きます。厚い変形しにくいラケットはパワーロスがない分、ラケットの力がボールに伝わるので飛びます。また、ガットでスピン量が大幅に増えるということもありません。三角形~八角形、丸型といった断面や素材、製法の違うガットがいくら出ても1つを除き他が全く売れなくなるということなければ、ナチュラルガットも全く廃れず使われています。同じ体格の二人が同じラケット、同じセッティングの同じガットで打っても、同じスピードや回転量にならないことでも道具の効果はごく僅かであることが分かります。単純にラケットと道具を変えてスピン量が15%も増えた人が居るならその道具や組み合わせが噂になるはずです。

道具でも求めるべきは「使いやすさ」だけでその基準は「感覚」が殆どです。道具で上手くならない反面、使いづらい道具で実力の70%としか出せないことはあります。ただ、人はその調整能力で「必ず道具に慣れる」ので、使っていて不自然でなく本人も違和感がないなら好きなラケット、ガット、セッティングを使って構いません。メーカーも下手になる道具なんて販売しません。逆に「人から勧めらた」「◯◯が使っている」といった理由で道具を選ぶとミスが続いた時に人は必ず道具のせいにします。道具を頻繁に変える人は大概うまくなく、上手い人ほど長い期間同じ道具を使い続けます。「慣れている」「使いやすい」と感じ信頼して使える道具が自分に一番の道具です。

6.教わることや見聞きすることは本当に正しいのか考える

私が一番疑問に思うのはこの点です。テニスでは「常識」とされる情報が沢山あり、皆がそれらを語りますが正しいのか検証しようとはしません。教わる「常識」にごく基本的な疑問を感じても、教える側がそれを論理的に解説できないのは自身も教わったままを疑問を持たず復唱しているから。多分「あれこれ考えずとにかくやって」と言われてしまうでしょう。

例えば、計算上、身長2mの人がベースライン中央から無回転のサーブを打つとしてネット中央の一番低い位置を通してもネットの上ボール1個分強(10cm)の空間を必ず通さないとサービスインしません。今どき “フォアハンドの基本はフラットだ” という人は居ませんがサーブの基本はフラットサーブだと教わります。同じくベースラインから相手コートに打つショットに違いがあるとは思えません。ラケットがボールに影響を与える要素は「ラケットスピードと当たり方だけ」です。サーブでは必ず回転をかける必要があるため、フラット とスピンの間に無数の種類の種類のサーブが存在しますが、3種類に分けるのは主に教えやすさからであり、結果教わる側の理解を難しくしていると感じています。

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