グリップの厚さとプロネーション1

サーブを練習する際によく言われることは「サーブは薄いグリップで打つものだ」という事です。何故、厚いグリップで打ってはいけないかという説明でよく言われるものが「厚いグリップではプロネーションができないから」という事です。

サーブにおける極端に厚いグリップ (よく羽子板サーブとか言われる)

私はこの説明を聞くたびに「この人はプロネーションについて自分で考えた事がないのだろうな」と思ってしまいます。自分が見聞きした情報をそのまま信じた “ステレオタイプ(固定概念)” のためだと思います。

まず、ラケットを振る事で発生するラケットの運動エネルギーは “1/2 x ラケット重量 x ラケットスピード^2 (2乗)” で計算されます。手に持っているラケットは1種類なので単純にスイングスピードが速くなれば運動エネルギーは2乗で大きくなるということです。

また、ラケットがボールに当たる際の当たり方により、このラケットの運動エネルギーは “ボールスピード”“ボールの回転量” に分配されます。(ボールスピードを速くすれば回転量は少なくなり、回転量を多くすればボールスピードは下がる)

つまり、厚いグリップ、薄いグリップでそれぞれサーブを打つとして、「同じラケットスピードで同じ当たり方ができるなら両者に違いは生じない」と考えられます。現に、明らかに薄いとは言えないグリップ(イースタングリップ等)である程度速度のあるサーブが打てる人がいますよね。技術云々ではなくその人は速いスイングスピードが出せているということです。

ただ、ラケットを振る際には、上記の法則性に加えて “ラケットの加速させやすさ” “回転” という要素が加わります。同じラケットスピードならボールスピードと回転量は同じですが、そのラケットスピードをを出すにはラケットを加速させる必要があるわけで、この “ラケットスピードを上げようとした時” にグリップによる違いがでる要素があるということです。