ラケットの加速と打ち方の関係1

打ち方の違いとラケットの加速

フォアハンドの例として上げた「スクエアスタンスによる横向きのテイバックを取ってから打つ打ち方」「正面を向いた状態から上半身を捻ることでテイバックを取る打ち方 (現代的なフォアハンド)」の違いは、このカテゴリーの本題である “ラケットを加速させる” という点に影響を与えます。前述した「ラケットは加速し腕よりも速度が速くなる」という部分です。

ラケットを加速させる

“ラケットを加速させる” において「体と腕、ラケットが同じ角度で回転する、動いていくようなスイングでは “スイングスピード = ラケットスピード”となり、速くラケットを振ろうとしてもラケットスピードも上がりにくい」と書きました。

これはテニスを初めて間もない場合にも起きるものですが、前述の「正面を向いた状態から上半身を捻ることでテイバックを取る打ち方 (現代的なフォアハンド)」「スクエアスタンスによる横向きのテイバックを取ってから打つ打ち方」違いによっても生じます。ごく単純に言えば、「スクエアスタンスの横向きのテイバックから打つ打ち方の方が体や腕をラケットが追い越す事象が起きくにい」だろうということです。

男子プロの多くが上体を捻って打つフォアハンドを用いるのはその方がラケットスピードが上がりやすく、昔より向上したラケットやガットの性能が出しやすいからだと思っています。皆、スタンスの違いに注目しますがオープンスタンスの方が次のボールを追うのに有利だからではありません。

少し例を上げて書いてみます。

スクエアスタンスによる横向きのテイバックから打つフォアハンド

スクエアスタンスによる横向きのテイバックから打つフォアハンドでは、スタンスと体の向きの両方がボールに対し約90度横を向いており“体の中心軸は両足のスタンスの中央”にあります。

スタンスと体を横向きにするスクエアスタンスによるテイバック

“フォアハンドにおける体重移動という話” で書いたようにボールを打つためにはここから体をボール方向に回転させる必要があります。これは人が力強くボールを打つためには「自分の体の正面 (右肩から左肩の間+α) の範囲かつ肩よりも前に腕がある」必要があるからです。

腕をしっかり振るには体の正面 (右肩から左肩の間+α) の範囲かつ肩よりも前に腕があること

ただし、“両足のスタンスがボールに対して横向きになった(約90度角度がついた)状態” なので、このまま体を上半身を中心に正面に向けて体を回転させることは難しいです。従って、“体の中心軸(重心)を前側の脚上に移動させてから体を回転させる” こととなります。

体の中心軸を前側の脚上に移動させながら体を回転させる

つまり、テイバックから加速したラケットが腕や体の位置を追い越すのは、最低でも、体の中心軸を前側の脚上に移動させ、股関節から上を回転させ体を正面に向けていった後となります。かなりラケットが前に動いた後でないと腕や体を追い越せないというわけです。

また、スタンスを含む脚全体(股関節から下)は横向きを維持しているため、体の中心軸を動かして体を正面に向けるとしても制限を残したままと言えます。

これに対しては、体の中心軸(重心)が前側の脚上に移動した事で後ろ側の脚への負担が減るため、体の回転に合わせ後ろ側の脚を前側の脚に寄せていく事で回転を補助することは可能です。

体の中心軸を前側の脚上に移動させて体を回転させる例

続いて「正面を向いた状態から上半身を捻ることでテイバックを取る打ち方 (現代的なフォアハンド)」を確認しますが、これら「スクエアスタンスによる横向きのテイバックを取ってから打つ打ち方」の特性を踏まえて比較していただければと思います。

スポンサーリンク

フォローする