ラケットをスイングする意味

ラケットをスイングする意味

ボールを打つためにテイクバックされたラケットは腕や体を使って加速されることで運動運動エネルギーを持ちます。

そのエネルギーがインパクトで接触したボールに伝わり、ボールを前方に飛ばす力と回転させる力に反比例的に分配されます。ラケットがボールに影響を与えられるのはボールと接触している0.004秒の間だけです。それ以前、それ以降の触れていない時間でラケットをいくら動かしてもボールには関係ありません。

スイングにはボールを飛ばす方向や角度を調整する意味もありますが、一定以上の距離を運ぶ必要がなければボレーのように止めたラケットで打つ方が確実なのは理解できると思います。

ラケットに運動エネルギーを持たせるためには、ラケットを持っている自身の手でラケットを加速させることになります。手や腕に引かれることでラケットは加速し、それ自体が運動エネルギーを持ちます。

ラケットを振るには「リラックス」。今風に言えば…

野球のピッチャーがボールを投げる際、体や腕、手に力を込めて投げることがないようにラケットを振る際も腕をしっかり振れるよう体全体がリラックスしている状態が望ましいです。

スポーツ等で「リラックスしろ」とは昔から言われることですが、テニスで今風に言えば「脱力」です。どちらも英語で言えば「relaxation (リラクゼーション)」とかです。

脱力と言われてもよく分からなくてもリラックスと言われればなんとなく分かるでしょう。

でも、テニスはラケットという道具を使いボールを打つことで、人は「ラケットをボールに当てよう」「ラケットを使ってボールを操作しよう」という意識を必ず持ちます。

比較の例として、ラケットのグリップの両側を2本の指で持ち、振り子のように振ってみると、ラケットが描く円形の軌道は一定になりますね。

ラケットを振り子のように動かしてみると

一方、ラケットを手で握り、モグラ叩きのように、ラケット面である一点を繰り返し叩こうとすれば振る毎にラケット面がぐらついたり、振り幅が大きくなれば毎回ラケットが動く軌道がブレるのは分かると思います。

モグラ叩きのようにラケット面で一点を繰り返し叩く

 

つまり、スイングする際は「ボールに当てる」「ラケットでボールを操作する」という意識をできるだけ減らす必要があります。

手や腕の操作で止まったラケット面を作りボールを捉えるボレーとは異なり、スイングによりボールを打つ場合は “ラケットの運動エネルギーをボールに伝えることがスイングの目的そのもの” なので、優先させるべきは「ボールを操作すること」よりも圧倒的に「ラケットを加速させること」と言えます。

そう考えれば、ラケットをスイングする意味が少し分かってくるでしょうか。

ラケットを加速させることとボールを正確に捉えることは矛盾しない

手や腕の力で無理やり加速させようとすれば、筋肉の緊張によりラケットへの正確なインパクトを阻害します。逆にリラックスした状態で体をうまく使ってラケットを加速させれば、ピッチャーがボールを投げる際のように速く正確に腕を振りボールを捉えることができます。

実際に男子のプロテニス選手はそうやってボールを打っている訳で、人間は体の構造は皆同様ですから、我々アマチュアもラケットスピード = ボールスピードと回転量の差はあっても、同じように体を使って安定的にしっかりとボールを打つことは問題なく可能です。

フェデラー選手のストローク練習

実際にボールを打つ際にラケットによる操作を意識から排除できるわけではないですが、相手とラリーを打ち合っている際に1球ごとスピン量やボールを速度を細かく調整して打とうとすることはないですね。そんなことをしていたらすぐに神経が参ってしまいます。

フォームや体の使い方ができていれば「ボールをラケットで捉える」という意識よりも、ボールを打ちながらもどこに打とうとか、相手はどう動くだろうかと言った点を考えていると思います。それは「ボールを捉える、操作する」という意識よりもラケットを振るというシンプルな意識に切り替わっているためす。

それも技術が向上したからではなくラケットをスイングするという動作に慣れてきているために起きます。

ボールを数多く打っていればそういう状態に近づいていきますが、本来は教わることさえできれば初心者が最初からできていても全く問題ないものです。自分で身につくものが完全とは限りません。

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