初心者向けラケット・上級者向けラケット

初心者向けラケット・上級者向けラケット

普段、ラケットの話になると「このラケットは初心者向け」「このラケットは上級者向け」といった言い方をしますね。

ラケット 初心者向け、上級者向け

ただ、この区分はメディアや流通(店舗等)が “勝手に” 当てはめているているに過ぎないと感じています。メーカーの広告等を見ても「初心者用・上級者用」といった表現はしていないのです。メーカー担当者が製品レビュー等で説明する際も「ジュニアや女性の方」「ハードヒットしたい方」といった表現はしても「初心者・上級者」といった言い方は決してしません。

これにはメーカーがラケットにそういった直接的な”看板”を付けてしまうと誤解を招くという面もありますが、メーカーとしても “何を持って初心者用・上級者用かという区分ができない” という面もあると思っています。

例えば、ラケット重量の差

市販のラケットは重量で言えば260g~320g位です。皆、ラケット重量の10gの違いを重い・軽いと言いますが、300gは文庫本2冊程の重さで10gは100円硬貨2枚分の重さです。

10gは1円硬貨10枚、100円硬貨約2枚の重さしかない

文庫本2冊を手に持ってしっかりと腕を振ることが難しい方は少ないと思います。お子さんでもできるでしょう。

実際、手に取れば重さの違いは感じられても280gから300gのラケットに変え2週間も使っていれば前のラケットとの違いがうまく説明できない位に人は “慣れて” しまうはずです。変えた直後は”重いな”と感じても280gを使っている人が300gのラケットに慣れないということは考えにくいです。試す人は少ないでしょうが320gであっても多少時間はかかっても慣れてしまうと思います。

メーカーは製品毎の差別化のためにラケットの性能以上に”打感の違い”を作っている

違うラケットに変えて違和感があるのは当然ですが、メーカーは各社、各製品で性能差があまり生じないことをカバーするために敢えて “打感の違い” をラケット毎に設けている面も大きいと思います。

フレーム厚やフレーム構造が近いラケットは飛びや性能も大体同じような状態になるはずです。使っているカーボン素材が違っても大きな違いが生まれることはないでしょう。

人が感じるのはボールの飛びの微妙な差よりもこの打感の違いですから、僅かな性能差以上に打感の違いを“打ちやすい”“打ちにくい” と感じています。1ヶ月も使えば慣れてしまう程度の“打感の差”であっても、使った時点の違和感から”使いにくい”と感じ、そう感じる人の意見が広まって “あのラケットは使いづらい” という評価に繋がります。

慣れない状態での差を良い悪いといっても仕方ありませんが、そういった面が製品の評価になってしまうことはある程度止むを無いのかもしれません。

道具を変えてもテニスが上手くなったりはしない

上達したいとラケットを変える人は多いですが、道具を変えてもテニスは上手くなったりしません。上達したいと望むのであればまず道具をあれこれ変えず慣れることが前提です。どんな高級車でも他人の車が運転しづらいように道具に慣れた上での技術等の上達です。

逆に、排気量の大きな車を選ぶのと違い、ボールに回転をかけるのはラケットスピードの速さと当てる技術なので、ラケットを変えてもラケットスピードも回転量も増えません。道具をあれこれ変えるデメリットの方がこれらの改善にははるかにデメリットです。

同様に、メーカーは「技術のない初心者でも簡単にテニスができるようになるラケット」も作れません。市販ラケットは「一般プレイヤーが使う最大公約数の仕様の範囲で設計されている」ため全てのラケットは誰でも使える (使いやすいと感じるかどうかは別にして) ということです。技術の高いプロが使わないと上手く使えないしボールも全く飛ばないといったラケットは(売れないし事故の元なので)まず市販されないことでも分かります。

テニスに限りませんが、世間における様々な認識はメーカーやメディア、流通にの広告や情報操作されている場合が多いですね。それが本質かどうかはまた別の事柄です。

気に入ったラケットを使って早く慣れた方がいい

テニス初心者の方が聞く「自分に合ったラケット・オススメのラケットを教えて欲しい」という質問は、いつまでも終わることなく延々と続いています。それに対し、ピュアドライブのような汎用的と言われるラケットを勧める方も多いです。

ただ、私としてはラケットを選ぶ要素は「自分が気に入って使えるかどうか」であり、敢えて全ラケットの中でも最重量に位置するようなラケット、慣れるまでに時間がかかりそうな特徴的なラケットを選ぶのでなければ、「自分が使いたいと強く思うラケット」を自分で選んで使えばいいと思います。使いたいと思う理由は、好きな選手が使っているでも、カラーリングやデザインが好きでも、メーカーが好きでも何でもいいです。

仮に、人に選んでもらったラケットを使って自分がそのラケットに慣れる前にうまくできないことが続けば人は “道具のせい” にしてしまいがちです。一度起きた”道具への疑念”は晴れません。一方、自分で選んだラケットなら愛着を持って使えます。初心者向け、上級者向けといった看板は勝手に付けられているだけですから、参考にするのはいいとしても使うのに無理のない範囲で自分が使いたいラケットを使うのが一番だと思います。

ちなみに “ラケットやガット毎の打感の違いを比べて言える” のではなく、「あのラケットはダメだ」「あのガットはダメだ」といった観点でしか道具の感想を言えない方は本当の意味で道具を理解できていない可能性が高いと思います。

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